わたしは上本愛香。高校2年生。
ごく普通に都内の学校に通っている。

聖奈「愛香ぁー!ねーねーちょっとお願い!」

愛香「もうなにぃー?」

この子はわたしの大親友でありクラスメイトの聖奈。
優等生で成績はいつも学年トップ。

聖奈「あのねあのね、11/12と13にゴールデンボンバーのライブがあるんだけど、あと3日しかないのに一緒に行く予定の子にキャンセルされたの!ありえなくない!?」

愛香「え、マジ!?それはないね。笑」

聖奈はゴールデンボンバーが大好き。
ライブにもしょっちゅう行って感想をよくわたしに話してくれる。

聖奈「でしょー?…そこで、愛香にお願いがあるの!」

愛香「何よ。」

聖奈「ゴールデンボンバーのライブ、2日間一緒に行ってくれない!?」

愛香「はー!?」

なんてことを言い出すんだ、こいつは!笑

愛香「無理むりムリ!だってわたし『女々しくて』しか知らないんだよ?ヘドバンとかもするんでしょ?着いて行けないよー!」

聖奈「大丈夫!ゴールデンボンバーのライブは棒立ち大歓迎だよ!」

愛香「それでもぉ…。」

聖奈「ね、一生のお願い!席空けたくないの!」

…聖奈に一生のお願いと言われてまで行かないとは言えない。

愛香「わかったよ…、もう。私服でいいの?」

聖奈「うん!…あ、でもちょっとおしゃれしてきて!」

愛香「…わかった。」

聖奈「ほんとにありがと!当日原宿のクレープ奢るね!」

愛香「お、マジで!?okして良かったー!」

聖奈「ふふ、でしょ?笑」



そんなこんなで11/12。

待ち合わせは原宿駅。
わたしのほうが早く来ていた。

聖奈「愛香待たせてごめん!…メイクに時間かかっちゃった!」

聖奈はいつもと違って、赤のカラーセーラーをキュートにリメイクして、メイクもばっちりで来た。

愛香「えー!すごーい!みんなこんなにしてライブ行くの?」

聖奈「うん!最近はこういう子多いよー!」

愛香「へぇ…。」

なんかすごいなあ…。
優等生の聖奈は学校ではチャラくしない真面目な子だからちょっと意外。

でも、こういう時に張り切っておしゃれしてる聖奈も可愛くていいな!

聖奈「とか言いつつ愛香もおしゃれしてんじゃん。笑」

愛香「だって聖奈がおしゃれしてきてって言うから。笑」

聖奈「ありがと!じゃあまずクレープ食べにいこっか!」

愛香「うん!」


そしてわたし達はクレープを食べて、その後会場に行った。

会場には沢山のファンの人達がいて、みんな可愛い格好をしていた。
聖奈はガチャを50回も回してて凄かったな…。笑


聖奈「あ!もう開演20分前じゃん!会場入ろ!」

愛香「うん!」

聖奈「あ、えっとね…、これチケット。席は上手スタンドの最前だよ!」

愛香「え、いい席じゃん!ファンから嫉妬されちゃうよー!笑」

聖奈「あはは!大丈夫だよ、さて、入場しよっか。笑」

愛香「うん!」






この時はまだ知らなかったんだ…。

ファンよりも一番近い聖奈を傷付けてしまうことを…。