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今日も憂鬱な朝の始まり


いつもと変わらない

シュルっ
また、今日もネクタイをする


パサっ
また、今日もウイッグをつけて

私は今日も別人を演じる


私は、いつもと同じことを思っていた。



リビングでは姉の優樹菜(ゆきな)と弟の零(れい)が朝ごはんを食べている。


私は何も言わずパンを口に押し込んで家を出た



神川 月(かみかわ しんあ)

高校2年生。



?「しんあ!」
後ろから声がした



しんあ「龍夜!翔!悠!」


私の幼なじみ達だ。

向かい側に住む林 龍夜(はやし りゅうや)


右隣に住む鈴木 翔(すずき しょう)


左隣に住む新川 悠(しんかわ はるか)


しんあと同じく高校2年生だ。


龍夜「…しんあ、お前ホント身長伸びないな」
哀れむように言った。


しんあ「のびてるわっ!」


悠「いくつ?」


しんあ「…160cm」


龍夜「伸びてないじゃん」


しんあ「笑わなくてもいいだろ!」


悠「まぁまぁ、怒んないの」


悠は一見、優しく穏やかだ。ホントに優しいが、うるさくするとすぐ怒る上にこわい。

しかし、それを見せるのはしんあたちの前でだけだ。

家から学校まであまり距離がない。そのためものの数分で学校に着いた。


龍夜と翔が2組、しんあが3組、悠が6組だ。


休み時間には、3組に集まる。もちろん、お昼も一緒に食べる。