「それで?今日はなんの用だ?」
「ん、天気の原液を貰いにきたんだ」
「また青か?お前は使いすぎなんだよ、少しは節約せぇ」
「それがなんと!今日は違うんだなー」
ふふんと得意気に占い師を見下ろす雅美は幼子を見ている様でため息をつかずにはいられない。
「言うてみろ、なにが欲しい」
「今日はー、そうだな、もうちっと上等なやつをくれ。あ、あの棚の一番上にあるやつ!」
「お?なんだ?明日はなにか特別なのか?」
「いや、ただ何となく、かな」
「ははっ、隠さんでもいいわお前は本当に解りやすいのぅ」
クスクスと口元を隠して笑う占い師。それに慌てて反抗する雅美。
「ばっ、ちげーっつうの!!これ貰ってくからな!!ほら金!」
ばんっとお金を机に叩きつけて乱暴に原液を手に取り店を出ようとする雅美に占い師が笑いながら声をかけた。
「雅美、これも持っていきな」
「あぁ?なんだよこれ?」
雅美は占い師が差し出したキラキラと光る硝子玉を受け取って不思議そうに眺めた。
「恋が叶うお守りだ」
「なっ、そ、そうゆうんじゃねぇっつえんだろ!?」
顔を赤くする雅美を占い師は嬉しそうに、かつ、意地悪く笑った。
「そうかそうか」
「ば、ばかにしてんだろ!」
「しているが?しているがなにか?」