惚れたって、言わせてやるよ



仕方なく伝言を伝えに行った時のあいつは嫌そうな顔をしていた。


本当なら俺はあの時"お前に会えて嬉しい"って言おうと思った。


しかし。


俺の口から出た言葉は"アホ女"だった。


だが。


言い合いしていた時に思った。


言い合いでも構わないからこいつともっと話がしてぇ。


もっと一緒に居てぇ…って。


だから俺は伝言だけ伝えた後に誓った。


あいつの笑顔を見るのも守るのも俺の役目でありたいと。


その為ならあいつにとって嫌いな男で構わない。


だけど。


いつかは惚れさせてやるからな…明里。


そう心の中で呟いて。