「あんたケーキ嫌いなの?」


聞いた瞬間顔を背けた。


そんな祐介の反応を見てはおかしく思え小さく笑っていた。


「何笑ってんだよ」


こちらを向いた彼の拗ねたような様子に不覚も。


"可愛い"と思ってしまった。


当然本人には言わないけど。


「苦手なら帰っても良いんだよ?」


その言葉に不敵な笑みを浮かべ。


「行ってやるよ」


と返してきては私の手を掴み歩き出す。


「道案内はしろよアホ女」


「はいはい」


今の彼からアホ女と言われても嫌ではなかった。