ウェイトレスの女の子を呼んで、僕もバニラアイスクリームを頼んだ。高田はコーヒーを頼んだ。
「そんな宝物があったら、誰も深くは愛せないだろ? 俺にもそんな宝物がある」
「お前にも?」
「そう。そして」高田は手元のおしぼりを僕に向けて軽く上げてみた。
「お前は今も、宝物の話をしている」