学校帰り。私は二人組の男に絡まれていた。
「いいじゃん、行こうぜ?」
 二人が私の手を掴む。
「放して下さい!」
 私は二人の手を振り払った。
「うわ!」
 一人がバランスを崩して倒れる。
「痛! てめえ!?」
 一人が立ち上がり。
「お前にはお仕置きが必要だな」
 そこへ通りかかった女子高生が二人に声をかける。
「お兄さんたち、乱暴はやめたら?」
「なんだ、姉ちゃん?」
「お前も俺たちと遊びたいってか?」
「はあ……」
 女子高生は力を込めて二人に回し蹴りを浴びせた。
「「うわああああ!」」
 二人は悲鳴を上げながら遠くへ吹っ飛んでいった。
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます」
「怪我は?」
「大丈夫です」
「そう。じゃ、私はこれで。気をつけなさいね」
 女子高生は去っていく。
 私は小さくなっていく女子高生の背中を見つめていた。かっこいい。
 と、こんなことをしてる場合じゃない。急がなきゃ。
 私は帰り道を急いだ。
 途中、私は不思議な雰囲気が漂う店を見つけた。
 こんな店、あっただろうか。
 興味を引いた私は、店へと入ってみた。
「いらっしゃいませ。TS店へようこそ」
「てぃーえすてん?」
「こちらは入れ替わりや性転換を行う薬を置いているお店でございます」
「何その店? 怪しいですね」
「一度試してみますか?」
 そう言って店員が持ってきたのは、性転換と書かれた錠剤の入った瓶だった。
「これは?」
「名前の通り、性別を変えることができます。サンプルなので無料でお渡しできますが、いかがでしょう?」
「面白そうだね」
 私は瓶を手に取る。
 これを飲めば男に……。ということは、さっきの子と?
「ありがたくいただきます!」
 私はそう言って店を出た。
 去り際に店員が何か言っていたが気にしない。
 家に帰り、早速錠剤を飲んでみる。
 すると、すぐに効果が現れた。
 膨らんでいた胸が引っ込み、股間に何かが生えてくる。
 股間に手を突っ込むと、確かに一物があった。
「はあ……」
 疲労感を覚えた私はベッドに横たわった。