「そ……っか」

「そっかってなんだよ?
それだけかよ?」

「でも友達だぞ?」

「……なあ、お前さ前から思ってたけど。
俺に興味ある?」

「えっ?」

「俺のこと好きとか思ったことある?」

そう言われて何も言えなくなる。

章吾のことは好きだと思ってる。だけど、キス出来るかってずっと考えていた。それにキス出来るって答えがでないんだ。

どうしてなんだろう。

好きだとキスが出来ると思ってたのに。

祢音だってそう言ってた。

だけど、あたしは、夜一とキスした。

なら、夜一とならキスは出来るのかな。

夜一となら。

どうなんだろう。

「思ったことないよな?
思ってたら、そんなこと平然と言えるわけないよな?
どうでもいいから、そう言うこと言えるんだよな?」

「んなこと……」

「あるだろ?
遊びに誘っても断るしさ。
メールだって一行でいいのに返さないし。
俺、いるりの何処に入り込めんだよ?
いるりの何処にいるんだよ?
教えてくれよ?」

そう言うと、唇を強く噛んだ。