◇ このままではいけないとは思ってた。 「なあ。ちょっと、来い。話があんだけど」 お昼を食べ終えた頃に章吾があたしを呼び出した。 「あっ?どうした?」 少し真剣な顔には苛立ちが見えた。廊下の端っこまで行くと、ようやく口を開く。 「お前、先々週の日曜日何してた?」 「ああ。出掛けてた」 「誰と?」 「友達」 「誰と?」 「同じクラスの友達だよ」 「男といただろ?」 「何それ?」 「お前が男と公園で遊んでるの見た奴がいるんだよ」