タンスの上に目をやると、そこにはたくさんのトロフィーが飾られていた。
「バスケだけは……ずっと好きだったのよ?」
ヒロのお母さんは、どこか懐かしむようにポツポツと、話してくれた。
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ヒロは、小学校の頃から、バスケット選手になる事を夢に見て来た。
町内の、ミニバス。
小学校ではもちろんバスケ部に入部した。
この頃は、背もまだ低かったヒロ。
『ねえ母さん、牛乳飲んでたら…背ぇ伸びる?』
そう聞くヒロ。
庭にある小さなバスケットゴールで、毎日遅くなるまで練習していた。
そんな努力の甲斐あって、中学にあがってからのヒロは背は低かったものの、いつもスタメンに選ばれていた。
そして、中学三年生ではキャプテンに抜擢されてチームを優勝に導いてたんだ。
技術はもちろんの事、ヒロのすごいところはみんなを一つにまとめる力だった。
人を惹きつける、そんな力がヒロにはあった。
だから、高校もバスケの推薦で入る事が出来たんだ。
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