……。
…………。



「……どこ行ったんだ? あいつら。
それにしても、永瀬があんな行動とるなんて……信じられませんよ」


「ええ。だけど、要注意は安達ユイですね。
永瀬をタブらかしたんでしょ」




えええ!



「いや、そんな誘惑できそうな子には見えませんでしたけどね」


「あはは。 たしかに。
若いってのは素晴らしいですね。青春ですね」




……笑いものだし。




「見つけたら、罰ゲームですな」

「そうですね」



血相変えて追いかけて来たわりに、ふたりの先生は楽しそうに話をして行ってしまった。

……てゆか、うわーん。
罰ゲームってなにぃ?

怖いんですけど。

それに、先生。

あたしになんあ失礼な事言いましたよね。

ひどいよー……。
どうせ、童顔ですよ。
子供っぽいですよーだ!



がくーんってうな垂れた、ちょうど同じタイミング。



「……ぶはっ」


「へ?」



耐え切れないって感じで吹き出した、ヒロ。

先生が来る、ほんの数分前。
間一髪で、ヒロはいとも簡単に、あたしを桜の木の上に連れ込んだ。


木の枝が張り出してて助かった……。

だけど。
そんな桜の木の幹に背中を預けて、ヒロは楽しそうに笑った。




「あはははッ」


「な、なによ……笑い事じゃないでしょー?」