「永瀬ーーッ! 安達ーーッ

どこだあぁぁああ」








「……!……」



え!



ガバッとヒロの胸を押しやる。



遠くから。
でも、確実に近づくその声に
あたしの顔からは一気に血の気が引く。




ひええええッ

うそでしょッ


さっきまでの甘い蜜みたいな雰囲気はどこへやら。

オロオロするあたし。




「どうしようッ、追っ手が来た!」



思わずヒロを見上げると。


……え?




「……ったく。 気ぃつかえっての」



そう言って、大きなため息をついた。

……永瀬真尋。




いじけてる。

完璧、機嫌損ねた!


そんなヒロが信じられなくて
『えーって、目を見開いてるうちに数人の先生たちの足音がすぐそこまで来ていた。



ひゃあああ!

もうダメだ!怒られるッ。
てゆか、退学かもぉおお!


涙目になったあたし。

だけど、その時思い切り腕を引き上げられた。