今すぐぎゅっと、だきしめて。



はあ……はあ……




って……。


「てゆーか! なにしてんのッ」


「え、なにが?」



冷静になったあたし。


なんか、入学して早々。
あたし、えらいことしちゃったんじゃないの?


絶対先生に目ぇつけられちゃったよ。
先生だけじゃない。
こわーいセンパイ方にだって。


やだー!
やだよー!





ヒロに連れられてここまで来たものの。
ここ、どこ?


裏庭……とか?



色鮮やかな緑に芝生に座ったヒロは、古い桜の木にその身を預けて
不思議そうにあたしを見上げた。



「ユイ、座ったら?
突っ立ったままで、さっきからどーしたんだよ」


「……どうしたのって。 
こんなことしちゃって大丈夫かな……」




オロオロしてるあたしを見て、さらにキョトンとしたヒロ。




「別に平気だろ?」


「……ッ! ヒロはいいよ。
3年生だし、なんだか人気者だし!

それに……
キレイな人ばっかりまわりにいて、さ」


「…………」




あたし、なに言ってんの?
これって、ただのヤキモチだよ……。


さっきまであんなに嬉しかったのに……。