舞台を降りたはずの……ヒロ。 そのヒロが……。 「ユイ!」 「……」 なッ……! 舞台袖で あたしを真っ直ぐに見つめて その左手を伸ばした。 キラキラ眩しいくらいの笑顔。 あたしの大好きな ヒロの顔だ……。 あたしは、その手に吸い寄せられるように 駆け出していた。 触れたくて。 ただ、 触れたくて。 今すぐ! 「……ッヒロ!」