そして、目を閉じて。
「1分1秒を大切に生きてください。
2度と戻る事の出来ない瞬間です。
こうしてここで出会えた事は
きっと何か意味があるはずです。
出会えた事に、意味がある事
忘れないで下さい。
ここへ来てよかったと
そして
出会えてよかったって」
そして、まっすぐに届く。
ヒロの……
「俺は、そう思います。
心から……」
―――……想いが。
うん……
うん。 あたしも……出会えてよかった。
ユーレイになったヒロが、あたしのことに来てくれて
本当に嬉しかったよ……。
涙で滲んだ世界。
一例をして
舞台を降りていくヒロ。
なぜかその間
講堂の中はしんと静まり返っていて。
だけど、思い出したかのように
割れんばかりの拍手に包まれた。
そんなこと言うなんて、ズルいよ。
あたし……思わず駆け出しそうになってた……。
目じりに溜まった涙をグイッとぬぐって
顔を上げた。
だけど、その視界に映ったのは……。
「……」
……え?



