「み、水谷っ! なんでアンタがっ」
「……」
ジローっと白い目であたしを見ると、溜息をひとつ。
「なんでって。 俺もこの高校受験してたの。
それ以外なにがあんだよ。 お前、バカ?」
「……」
ぽかーん。
そっか。
な、なるほど……。
「って……バカは余分だし!」
「わかったから。 そこ、どけ」
「……む」
むかつくーーっ!
何様のつもりか知らないけど。
水谷は顎をクイッと動かして、肩にかけていた鞄を引っ掛けなおした。
あたしとあたしに負けず劣らずポカンとするクラスメイトの女の子の間をスルリとかわし、涼しい顔して中に入っていく水谷。
嘘でしょ……。
アイツも同じ高校だったんだ……。
そんな話したことなかったし。
知らないのは当然なんだけど……。
でも、でもっ!
あんなヤツとッ
「かっこいい……」
はぃ?



