今すぐぎゅっと、だきしめて。



それから新しい教室にはいると、数人の女の子に話しかけられた。



「ねえ、朝3年の永瀬センパイと歩いてたの、あなたでしょ?」


「えッ?」


「どういう関係なの?」


「ええッ?」



口をパクパクさせたまま、オロオロするあたし。
でも、そんなあたしなんかおかまいなしで、彼女たちはその間合いを詰める。


「付き合ってるのッ?」

「彼氏なのッ!?」


「え、えーーっと……」



こ、こわいってばあぁぁあっ!



涙目のあたし。


でも、それを救ってくれたのは……。




「そこ、邪魔なんスけど」

「……」




え?



顔を上げて、固まってしまった。



なんでええ?