「あの、どうしても、伝えたくて……。
あたし将来看護師になりたくて、T大付属高校受けて
あ、勉強が……けっこう大変だったんですけど。
でも、みんな協力してくれて。
それで今、見てきました。
合格でした!
それで、あ、マヒロさんに伝えたくて……」
って、あたしやっぱこんな事言うのおかしいよね?
ヒロには関係なってゆーか。
それを伝えたとこで、困るってゆーか……。
そう思った瞬間、最後のほうはゴニョゴニョと小さくなってしまった。
うわーん。なんか無性に恥ずかしいんですけど!
消えたい……。
たった今、目を見開いてる彼の前から消えちゃいたい!
どうしよう……。
さっきまで、あたしの中にあった
勢いはどうしたの?
実際、ヒロを目の前にして
こうしてヒロに話してるんだって思うだけで
うわあああ!
とにかく、消えよう!
パッと!
「ってわけなので。 これで……」
あたしは数歩後退りしてから、クルリと向きをかえて走り出した。
「さよなら!」
「は? ちょ……」
すっとんきょうなヒロの声。
ひええええ!