間に合わなかった……。 時々、肩にあたる見知らぬ人。 謝る力も、あたしには残されていない。 「……ッ……ヒロぉ……」 あたしは、想いと一緒に零れる涙を どうする事も出来ずに、唇を噛み締めてた。 ようやく、電車を降りた人達が改札口に向かって階段を上がってしまった。 静かになったホーム。 あたしは視線を感じて、ふと顔を上げた。 「……ッ」