今すぐぎゅっと、だきしめて。



いつからそこに……。

緑のダウンに、ベージュのパンツに身を包んだヒロが、立っていた。




今の、聞かれてた?


そう思った瞬間に、急に恥ずかしくなって頬がカッと火照った。



どうしよう……。

ヒロ、なんて思ったかな……。



せっかく久しぶりに会えたのに……。




ドクン ドクン




真っ直ぐにあたしを見つめるその瞳。

その中に吸い込まれちゃいそうな感覚になる。




それで思い知らされた。



やっぱりヒロはあたしにとって『特別』なんだって。






確かに、水谷に見つめられてそらせなくなってしまったけど。
こんな感覚にはならなかった。


こんな……
胸がつぶれちゃいそうな、気持ち……



苦しいよ、ヒロ……
あたし、どうしちゃったの?



この症状、学祭の時よりも、ひどくなってる。




抜け出せない……


解決方法が、わからない






どれくらいたったの?

ヒロは、ふとその視線を外すと、手を振っていた友達らしき男の人と並んで歩き出した。






ドクン




「……」