恥ずかしくて、嬉しくて、恐くて。
どうしたらいいのかわからない。


いっぺんにたくさんの感情が、頭の中に飛び込んできた。


思わずそらした瞳から、とうとう涙が零れた。


「……」


泣きたいんじゃない。

だって、嬉しいんだもん。


笑わなきゃ

ちゃんと、あたしを見てもらわなくちゃ……。



そんなあたしをただ黙って見つめている。


ドキン

ドキン

ドキン


これ以上ないってくらい、体中が熱い。

全身が心臓になったみたいにドクドクって鼓動を速めて、震えが止まらない。


「あ……あの」


見つめられたところから、チョコレートみたいに溶けちゃいそうだ。


こんな感覚……あたし知らないよ。



「ヒロ……」



言葉にならずに、再びヒロを見上げたその時、勢いよく病室のドアをあけて誰かが飛び込んできた。


「ヒロッ!」



あたしはガバッとベッドから飛び退くと、まるで入れ替わるように女の人がヒロに抱きついた。


あ!
この人……!