まだはっきり残ってる。

和田君の姿をしたヒロに、抱きしめられたあの感触。



あったかくて、優しくて。
ドキドキした。



抑え切れなくて、溢れ出したあたしの『キモチ』は容赦なく頬を伝いヒロの頬へ落ちていく。


「起きて……目、覚まして」




ちぃちゃんの大事な人でも構わない。

それでもいいから……。





目にかかりそうな程
ヒロの長い前髪にそっと触れる。



「…………」



そのおでこに、あたしはキスを落とした。







……お願い



もし、あたしにそんな力があったなら。


どうか、ヒロを――……


ヒロをかえしてください……。