「病院……」


ドクン

ドクン

ドクン



ヒロは……生きてる!


生きてるんだ!!



だから、成仏なんて出来るわけない。
だって、体はこの世にあって、心臓はちゃんと動いてるんだもん。


「ユイちゃん? 大丈夫?」


急に足に力が入らなくなって、あたしはその場にユルユルと崩れ落ちた。

体が震える。

目の前が現実かなんて、それすらわからない。



でも……

でも…………!




「よか……ったぁ…………」



綺麗に磨かれてる床。

そこにポタポタと雫が落ちた。




「ちぃちゃん!」

「え?」



ガバッと勢いよく立ち上がったあたしに、ちぃちゃんは驚いて何度も瞬きを繰り返した。


「大丈夫だよ!」



そうだよっ。
だって、ヒロはまだ生きてるんだもん!


意識は、あたしが一緒にいたんだもん!



「ヒロ……真尋君は大丈夫! 絶対近いうちに目を覚ますよ!」

「……ユイちゃん」

「お邪魔しました!」



そう言って、ペコリと頭を下げるとあたしは勢いよくちぃちゃんの家を飛び出した。




行かなきゃ!

ヒロのもとへ……!