「あっあの…………さっきって、どうゆう意味ですか?」
「どうゆう意味って、言ったでしょ?あなたは友達が欲しくて、あの場に来たんですか?」
自分の下心を見透かされた様で、口ごもってしまう。
(本当は恋人が欲しいわけでもない…………。)
「すいません…本当はー」
グゴゴゴグググゥ~………………。
「えっ…………………?」
予想外のタイミングで、又もや私の腹の虫が唸り声を上げた。
秋山さんは目を反らして、口許を隠している。
私は一気に落ちた女子力を回収しようと、躍起になって声を上げた。
「あ…の、………こんなタイミングで雰囲気無くてすいません!!いつもはこんなんじゃ無いんですけど、昼からずっと飲み物だけで、さっきの料亭でもあまり箸をつけなかったものですから………」
「ぷっ!!フフッ…あっはははっ!!!もう無理、我慢できないっ!!また、腹鳴ってるし………ククッ…!!」
さっきまで紳士的で、丁寧な喋り方だった秋山さんが砕けた口調に変わり、おまけにお腹を抱えて笑っている。
私は一気に恥ずかしくなり、語気を荒げた。
「なっ何なんですか?!またって………?」
「ちょっと?!マジでまだ分からないの?どんだけだよ!!」
「だから何っ!!!」
目の前の男はアップにしていた前髪を、グシャグシャっとすると、顔の前に垂らした。
「これなら分かるでしょ?お姉~さん。」



