「お前、何なんだよ?そんな悩ましげな顔して、はぁはぁ溜め息をつくなよ!そうでなくてもいつもフェロモン漂わせているんだから、男達が興奮して大変なんだよ!特に俺が!!」
「何で藤森が?」
「お前と飲み仲間だから、何があったのか聞けって煩いんだよ。」
「そっか………それは災難だったね……悪い。」
私の気の抜けた答えに、藤森は益々眉間に皺が寄った。
「………何かあったのか?秋山さんと。」
「藤森…今日、飲みに行かない?家に、早く帰りたくないから。」
「いいけど……二人ではまずくない?」
「大丈夫。ちゃんと連絡するから。」
「…………それなら、いいけど。」
私は、顔を合わせづらくて、心の整理が着くまで連理から遠ざかる事にした。
これからの自分の体勢をしっかり考えた上で、彼にぶつかろうと、心に決める。
藤森と別れた後、直接顔を合わす勇気が無かった私は、メールを打つ事にした。
何度も文面を確認し、消したり足したりしている時だった。
急に後ろからお腹に手が回ってきて、ピッタリと誰かが私に抱きつく。
心臓が飛び出そうとは、この事かと思うほど、私の心臓は大きく飛び跳ねた。
「何してるの?令子。」
何にも無かった様にニッコリ笑って、連理は私を見つめている。
「なっ何って………あなたに、メールしようかと思って………。」



