Pathological love


「変態プレイが好きなわけ?いきなり自分の股間に、男の頭を押し付けるなんて………伊達に年取ってねーな。」


「バカっ!!違うわよっ!!いきなりで、ビックリして、ああするしか無かったの!!悪かったわよ………もう勘弁して。」


「俺も男だし?誘ってんなら乗らないことも無いけど………?」


彼の指が、つぅーっと内腿を撫でる。


「んんっ………………!」


思わず声が出てしまって、慌てて押さえると、連理は冷静な目で私を見つめたまま、膝にキスをした。

一瞬にして、膝から熱が広がる。

まるで、悪い魔法使いに、呪文でも掛けられたように、身体が硬直して、心臓の音だけが私の中で大きな振動となって全身に伝わった。


「そんな顔しないでよ……期待してんの?」


脚から滑るように上がってきた手は、彼が立つと同時に腰へと回された。

私の真っ赤に紅潮した頬は、しらを切るにはあまりにも不利だった。

少しずつ縮まる距離。

もう、既に彼の体温を感じる。

最後の砦の両手は、彼の胸に置かれたまま、抵抗する意思を見せない。


(キスなんかしちゃダメだ………だけど………私……)


「令子ちゃ~ん!!パンケーキ出来たぁ?」


京子さんの声で、バッと振り向くと、驚いた顔をしたまま、固まっている。


「すっすいません!!彼は私の婚約者でー」


「連理!!!」


「えっ?!」


「ご無沙汰してます………京子さん。」