湯井の家から走ってどのくらい経っただろうか

私は迷子になっていた……



[ここ…何処…]



私、菊川幸(きくかわ ゆき)人生初めての迷子です


今まで頭上にあった太陽もだんだんと消えていって今では黄昏時に


どうしよう、怖いよ


こんな時に限って携帯の充電無いし…


[助けて冬樹(とうき)くん]


だけど


そんな願いも虚しく日は一方に消えていくだけだった


[寒い…]


冬の季節のせいか、段々と気温が下がっているのが分かる


あまりの寒さに立っていられなくなり
私は錆びれたベンチに腰かけた