最後にかすかに" おめでとう "と聞こえた。



何のことか聞こうと思い、振り向こうと
したが、彼を見ることができなかった。



翔太の顔を見てしまうと、きっと
抱きしめたくなる。



離れられなくなる。



だから私は彼の顔を見ないまま、
一歩を踏み出した。



最後あなたはどんな表情をしていたの?



それはお互いわからないままに終わった。



そして、背後で見守る翔太の前で
光に吸い込まれるように私の姿は消えた。