今つないでいる手に力が入る。 「 大丈夫。俺はここにいるから。 」 「 またっ…ね、翔太。 」 彼は何も言わず、笑顔で頷いた。 そして、つないでいた手を離した。 離した時のあの感覚、さっきまであった あの温もりを感じることはもうない。 一歩、また一歩、重い足を前に出す。 これで本当に最後なんだ。 もう翔太には会えないんだ。 一歩ずつ前に進むたびに、溜まっていた 涙が溢れ出す。