ふたりの王子様


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淳平が止まったのは、そこから10分ぐらいしたところだ

見上げると大きな門が半分ほど閉まっていた

ボーっと見上げたまま立っていると、すでに中に入っていた淳平に呼ばれた


「何してるの!早く入らないと閉まっちゃうよ、ヒヨリちゃん!」


慌てて門の中に駆け込むと、そこには今までヒヨリが見ていた世界とまったく違う世界が広がっていた


門を入ってすぐのところに高そうなライオン?の置物が二つ、その間を抜けてしばらく歩くと

ようやく校舎らしき大きな建物が見えた

校舎の扉の前には、大きな噴水が置かれたいたが、ゆっくり見ている暇もなく立ち止まりそうになったところで

またも淳平に手を引かれて中に入った


すると、広いく天上の高いエントランスに黒髪の男の子が一人立っていた


「朋、待っててくれたんだ」


淳平が声をかけると、朋樹は顔をあげた

淳平の姿を捉えた朋樹は、遅いと言おうとして後ろに人影があることに気づいた


「おい、何でそいつがここにいるんだ」


不機嫌そうな低い声で言われて、ヒヨリは咄嗟に前にいた淳平の制服の裾を小さく握ると俯いてい待った

淳平は笑顔を崩さず、この子はこの学校の生徒だよと言ってヒヨリの着ている制服を指差した

そこでようやく、朋樹はヒヨリの着ている制服がこの学園の制服だと認識した


「何でもいいけど、もう始業式始まってるぞ」


その言葉に、ヒヨリがバッ!と顔をあげるのと対照に淳平はアチャーと額に手を当てた


「まぁ、もうしょうがないよね~」


「はぁ」


「ため息つくぐらいなら先に行ってればよかったのに」


「あんなかったるいのに出るなんてごめんだぜ」


ヒヨリは二人の会話についていけず、自分が未だに淳平の服を掴んでいることに気づき慌てて手を離した

すると、ヒヨリのことを思い出した淳平は視線を合わせるように屈んだ


「ごめんね、ヒヨリちゃん。急いだんだけど、間に合わなかったみたい。

悪いけど、この学校途中からは式に参加できないからしばらくは俺たちと一緒にいようね」


ヒヨリはただ頷くことしかできなかった


「そうだ朋、この子は酒井ヒヨリちゃんって言うんだよ。訳ありみたいだから、あんまり冷たくするなよ」


朋樹は少し眉を寄せたが、すぐに俺には関係ないといって歩き出した

淳平はヒヨリの手を掴むと、ニッコリと笑いかけて朋樹の後を追って歩き出した



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