私が虜になった君は

「私を振る人なんてこの世にいないっ!!!」


気づいたら声に出していた私。

でも、止まらない。


「えっ…と…?」

宮野は動揺していた。


「どうして振ったの!?私より可愛い人なんて、綺麗な人なんていないもの!!信じられない!!」


そう言い放った私は、息が切れるほど激しく言ったみたい。


少しの間があって、宮野は私をじっと見つめて、こう言った。


「確かに、君は可愛いし綺麗だけど、僕には君より可愛いと思える人がいるんだ。君より綺麗と思える人がいるんだ。
可愛いや綺麗の順位は、人によって違うからさ」


そう言って、柔らかい笑顔を私に向けて、去っていく宮野。