「そもそもさあ、信じられるわけないんだよなぁ! このアナウンスも相馬も」


日暮は絶対。相馬は涙を瞳にためる。


カチンときた私が日暮を殴ろうと立ち上がると相馬の親友である加藤さんに制止された。


よく分からない人なんだよね……加藤さんって。


そのまま加藤さんは日暮に近寄っていく。


「な、何よ……」


加藤さんが手を大きく振りかぶるとすぐにバァンと鈍い音が響いた。加藤さんが日暮をブッたのだ。


「日暮さん。あんたが菜名の立場だったらどう? 知っていても言えるわけないでしょ! そんなに弱い人を虐げて楽しいの!? ねぇ日暮」


そんな時だった。ホールの置時計がゴーンと鐘を鳴らしたのは。