「“おちえゲーム”は呪われたゲーム。“おちえ”は許さない、か……僕は考えるから、とりあえず外との連絡手段を探してくれないか? 何か知っている人も僕に言いにきてほしい。とりあえず神田、鈴木、星野、浅見も来てくれ」


誠は頭の回転の早い四人を指名してスマホのメモに何かを書きながら、話を始めた。


連絡手段なんてないよ。


「分かった! スマホとか窓とか調べてみる」


……何、今の。涼弥の返事に混じって声が聞こえた。


連絡手段はないってどういうこと?


「くそっ駄目だ。圏外だ!」


スマホを見た涼弥の声から口々に皆が私も、と言い始めた。


一応私もスマホの画面を見るが圏外の二文字。


どうやら窓も開かないらしい。私達は本格的に閉じ込められたようだ……。


あの声の言う通り。


《はいはーい。“おちえゲーム”は呪いですので出ることは出来ません!
さて、残り時間も三十分ですし今日の”おちえのお人形”を発表致します!
それは……相馬菜名さんです! 皆さんお気をつけて》


残り時間……? ホールにある大きな置時計が二時半を刻んでいた。


このゲームが始まったのは十二時なので二時間半経ったことなる。


あと三十分で終わるのだろうか。だとすれば嬉しいのだけど、このまま終われる気がしない。


さて、“おちえゲーム”のお人形となった相馬菜名。クラスでも大人しい女の子のイメージがあった。


ふと、相馬を見るとうつ向いていて心配になる。


「どういうことだよ! 相馬あ!!」


日暮は相手が弱いことを承知し、怒鳴りを浴びせた。 


私だって言ってくれなかったことには腹が立つけど……流石に言い過ぎではないかな。


「やめようよ。日暮もあと三十分で終わるんだよ?」