『黒野ー、また女子が呼んでるぞー。』



『…あぁ。』






『奏乃ちゃん!また黒野くん行っちゃうよ?!』






『あー…でも私に止める権利ないし…』





『大ありだよ!彼女なんだから!』







『彼女』その言葉に敏感に反応する。
普通は言われたら嬉しい言葉なのかもしれない。



だけど、私上原奏乃は複雑な感情なのである。





『…彼女って行っても、荷物持ちだし…』




『黒野くんきっと照れてるだけだって!』




『…うーん。』







高校一年の2月。
あの日裏庭で私が彼氏である黒野桜月に告白をした。