あいつにも聞こえたみたいで、足を止めていた。


「あ゙?」


バシンッ!


私はあいつが振り返ったと同時にビンタした。


廊下には痛々しい音が響きわたる。


「……ってぇな!」


「痛いのはこっちよ!

こんなにぐちゃぐちゃにされて、可哀想だったから?ふざけるのも大概にしてよ!」


多分、こんなに怒るのは一生に一度だと思う。


悔しかった。早百合ちゃんにも応援してもらって、私だって何度も失敗してやっとできたものだったのに、結果がこんなのって。


許せなかった。