せっかく好きって言ってもらえると思ったのに...。
と、ガックリしていると"まぁ、でも..."とほっぺを引っ張る手をはなして私を見た。
「もちは嫌いじゃないよ」
嫌いじゃない...。
私に言ってるんじゃなくて、もちに言ってるって分かってるのに...
そんなふうに見られて言われたら、私に言われてるのかなって勘違いしちゃうよ。
胸が、すごくドキドキしてる。
「ほら、そんなマヌケな顔してないで早く帰るよ?」
「......え?」
結城くんの声でハッと我に返る。
すると結城くんはいつの間にか立ち上がっていて、振り返って私を見ていた。
「なにしてるの。置いていくよ?」
「だ、だめだめ!結城くん乾いたの?」
「少し濡れてるけどもういい」