結城くんは「...冷た」とメガネをとって濡れた前髪を触っている。



濡れているせいか、前髪が分けられていていつもより瞳がよく見える。



分けてるほうが顔の見える幅が広くていいなー。



それに、やっぱり黒髪も似合う。



じゃなくて!



「ほんとにごめんね。脱いで乾かさなきゃ」



プールに入ったみたいにびしょびしょだよ...。



どうしたらいいか分からず、とりあえず綺麗に折って捲られている袖を直した後にネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンに手をかけた。



「へぇ、ここで脱がすの?ずいぶん大胆だね」



あ...。



自分がしていることに気づき、顔を上げると結城くんは余裕な笑みを浮かべていた。



し、しまったぁああああ!