あれ?



幻聴のはずなのに、声がだんだん近づいてきて...。



それに足音も...。



その前に、幻聴と話って出来るの?



頭を使うのが精一杯で手が動いてなかったらしく、ジャボジャボと土に水がたまってるのに気づき、慌ててホースを持っている手を動かす。



やばっ。



ここだけ水あげすぎちゃったかも。



「ねぇ...「は、ははははい!」



思いのほか近くに聞こえた声に、びっくりして振り返る。



「......っ!?」



「何でここに...?って...うわぁあ!ご、ごめんね結城くん!大丈夫?!」



驚いて振り返ったせいで、ホースの存在を全く忘れてた。



そのせいで、容赦なく結城くん水をかけてしまった。



ポタポタと地面に雫が落ちて濡らしていく。