「うぇーん。奈々ちゃんどうしよう。結城くん、怒ってるかな?怒ってるよね?」



「そりゃ、惚れられる立場ならいいけど、惚れてもないのに惚れたとか言われたら嫌よ」



そ、そんなはっきり言わなくても...。



もうちょっとオブラートに包んで頂きたい。



「奈々ちゃんのいじわる...」



「はいはい。でもまぁ、結城見てるとそれほど気にしてない気もするけど」



ほら、という表情で結城くんを見る奈々ちゃんにつられて視線を移す。



確かに、机に肘をついて外を見てるのはいつものことだ。



でも、それはみんなの前だからかもしれない...。



2人になった時に、もう近寄るなとか言われたらどうしよう。



ガクッと肩を落としていると、後ろから肩を叩かれた。