ガラッ
静かな廊下に響く保健室のドアの音。
幸運なのか不幸なのか、保健室の先生は不在のため誰もいない。
「座って?」
「は、はい」
不機嫌な結城くんに逆らうことが出来ず、言われた通りベッドに座る。
「ふぇ?ゆ、ゆゆゆ結城くん?」
私の髪に手を伸ばしたかと思うと、器用に横髪を耳にかけた。
前髪が邪魔だったのか、いつの間にかウィッグを取っていて、メガネだけの結城くん。
そのせいでバッチリ目が合う。
「すごい腫れてる」
「あははっ?や、やっぱり...?」
バカバカ私!
なんかもう、笑うことしか出来ない。
「ねぇ、分かってる?」
「わ、分かってます。バスケットボールはパスを貰ってゴールにつなげる球技であって、パスを貰うのは当たり前なことで...。でも、なんか結城くんにボールが飛んでくるのを見たら体が勝手に...」

