わけも分からず返事をしたが、私の前には結城くんがいて、その結城くんは私の手首を掴んでる。
「じゃ、もう少し我慢して」
そう言うと、たくさんの人だかりの中、構わず私の手をひいて歩き出した。
「わー、あの結城もついに橘に落ちたか」
「希望ちゃん根性すごすぎ」
わわ、目立ってる目立ってる...
私は別にいいけど、結城くんが。
「えっと、その...みんな見てるのですが...」
「バカ。そんなのいいから、自分の心配しなよ」
表情を見なくても分かるくらい不機嫌な声で、私を見ずに言う。
やっぱり、迷惑かけて注目まで浴びせちゃって怒ってるよ...。
よく考えてみれば、バスケなんだから結城くんにボールが回ってきてもおかしくない。
なのに、私ってばなんてことを。

