いきなり走り出した勢いにより、バランスを崩して鼻を思いっきり玲くんの背中に強打した。
その拍子に玲がクスッと笑ったのを私が聞き逃すはずがない。
「おい、こらー!鼻がなくなったらどうするんだ!責任とって結婚してくれるのか!」
「え、なにその突然のキャラ変。て言うか、なにそれ、もしかしてプロポーズ?のんちゃんってば気がはやーい」
私の熱意はこれっぽっちも伝わらず、さらにクスクス笑ってる。
だめだこりゃ。
玲くんには何を言っても、うまく言い換えられてしまう。
諦めて、風で顔にかかった髪を片手でどける。
速いなぁ…。
私なんかが漕ぐよりずっと速い。
なんだか風にあたりたくなり、玲の腰にあった手を、肩の方に移動させゆっくり立ち上がった。
「わっ!?ちょ、まっ…。はぁ、急に立ち上がるとか、危ないだろーが。ボケ」

