ゴキ...
本当は足に虫なんてあたってないけど、想像しただけでもおぞましい。
今ので涙なんて吹きとびましたよ、結城くん。
「ち、違うよ!カナブンだよ!それより、早く帰らなきゃ結城くん風邪ひいちゃうよ...。私の家、この近くだから寄って行って?」
足首に痛みが走るのをこらえて立ち上がると、結城くんの袖を引っ張って歩きだそうとする。
......が、引っ張っているにも関わらず、なぜかその場から動こうとしない結城くん。
「結城くん?」
不思議に思って首をかしげると、思わぬ言葉が返ってきた。
「やっぱり、痛いんじゃん」
それだけ言うと、結城くんはスッと私の前に背中を向けてしゃがんだ。

