「ドジ」
頭上では、呆れているのか、怒っているのか分からないけど、幻聴かと疑うようか声が聞こえる。
私の大好きな人の声。
どうして...?
「...なんで来ちゃったの?他人のふり、しなくていいの?」
こんなの嘘だ。
本当は嬉しいくせに、こんな言葉を言いたいんじゃない。
頭にあるのを取ると...結城くんは、ちょうど目線が合う高さにしゃがんでいた。
頭に被ってるのは、学校指定ではないスポーツブランドのジャージ?
「バカ。いいから、黙ってそれ被ってなよ。傘買ってくるの忘れちゃったから」
そう言いながら今度は、周りが見えるようにジャージを被せてくれる結城くんは、もはや王子様にしか見えない。

