「…なに持っていくの?」



「あ、うん。これだよ!」



先生から貰った紙を結城くんに見せる。



いやー、それにしても世界史の先生人使い荒いな。おい。


数多すぎ…。



なんて私が皮肉を思ってるうちにも、着々と見つけていく結城くん。



それを見習い、私も急いで探す。



あ、あった!



一番上の段の棚にそれらしき資料を見つける。



うう…。高っ。


男の子でも、ハシゴに乗らなきゃとどかない高さ。



キョロキョロとハシゴを探して、引きずって持ってくる。



引きずる音で気づいたのか、結城くんが「取ろっか?」と首をかしげた。



「いやいや、もし結城くんが落ちて怪我でもしたら、世界滅亡より先に私の人生が滅亡しちゃうから!」



「でも…、橘さんスカート…」



ゆ、結城くんが私の心配を……


それに、私の苗字知っててくれたんだ。



初めて呼ばれた苗字に嬉しくてニヤけが止まらない。



「……橘さん?」



「は、はい!大丈夫大丈夫っ!私、下に黒パンはいてるから!」