その次の年も約束通りに彼はやってきた。ただ、私は約束を守れずに起きていたけど。
起きていた私にやっぱり驚いてすごく困った顔をし、ちょっとした意地悪を言う。
「プレゼントあげないよ?」
「やだ! だって……サンタさんにどうしても会いたかったんだもん」
私はこの年のクリスマスもぐずぐずと泣いたっけ? プレゼントも貰ってソリで夜の散歩にまで付き合わせた。
本当に困らせてばかりいたな。それでも彼は私が笑顔になるまでちゃんと付き合ってくれ、帰りに「また来年」って帰って行くのだ。
小学校に上がってクリスマスが近づくと、みんな口をそろえて言う。
「サンタなんていない」
小学校低学年まで私はクリスマス間近に大泣きをして学校から帰って行くのが恒例行事になっていた。
「サンタさんはいるもん! ナナ、ソリに乗せてもらって空飛んだもん!」
「ナナちゃんのうそつき!」
「夢の話でしょ?」
サンタは両親だという子達に何度も本物が毎年家に来て、ソリに乗せてもらって夜空を駆け抜けたと言っても信じてもらえなかったから。
だからクリスマスの日に、彼がその話を聞かせた。