私の様子に窓際で銀色の笛を口に咥えた彼が振り返りニヤリと笑う。


 笛の音が夜空に響くと月の光からベルの音と一緒にトナカイがソリを引いて星の間を駆けてくる。



「ナナちゃんのプレゼントを取り返しに一緒に行くかい?」


「行く! ナナもサンタさんと一緒に行く!」



 窓の外にトナカイの引くソリが着くと彼が飛び乗り、私に手を差しだす。


 迷うことなく手を取りソリに飛び乗った。彼の膝の上に座ってトナカイの手綱を掴む。



「それじゃ、出発!」


「しゅっぱーつ」



 掛け声と共に夜空を駆け抜けて行く。月や星がいつもよりずっと輝いて見え手を伸ばせば採れそうだと手を出すと、彼が私の手を捕まえる。