「メリークリスマス。お届け物です。喜んでもらえた?」
「大満足です……あ、ありがとう! 私の気持ち……届け物は喜んでもらえる?」
よくばりかもしれないけど、ちゃんとフィンの気持ちを聞きたかった。
恋愛感情がなくても、好きだと言ってくれれば次のクリスマスまで笑顔でフィンを待てる。
「う~ん、まあまあかな」
「えっ!? やっぱり迷惑とか……」
不安と悲しい気持ちに目に涙が溜まり始めるとフィンの顔が近づいてきて震える唇にキスをした。
赤い顔で固まる私を見つめて満面の笑みで囁く。
「これで大満足。好きだよナナ」
私が今までで一番泣いたクリスマス。でも、悲しいとか寂しいからじゃなくて、嬉しくて泣いたクリスマス。
これから先もずっと私とフィンのクリスマスは続く。
真夜中に空飛ぶソリを見つけたら、それはサンタクロースではなく待ちきれずフィンに会いに行く私の姿かもしれない。
おしまい