「ブリクセン、あの文字だよ! あっ、右にまがったよ!」
夜空に黒い文字を追いかけるのは予想外に難しくて、何度も見失いそうになってブリクセンに文句を言う。
星との距離が近づいてきたところで、文字を見失ってしまった。
「もう! フィンに会えなかったらブリクセンのせいだから……うっうっ」
もう少しでフィンにたどり着けそうだったのに。こんなところで泣いてる場合ではないのは分かってるが、涙はとまらない。
クリスマスになると私の涙腺は壊れてしまうみたいだ。
ソリを引くブリクセンは泣いてる私にオロオロしながらその場をグルグル回る。
涙を拭いて顔を上げると目の端に文字が見えて叫ぶ。
「ストップ! あれって……番地?」
私の追っている文字ではなく、星の端っこになにか数字が書いてある。
フィンは13星45番を通って来るって話していた。星に番地がついているの本当だったんだ。
あの星が13-40ならこの近くに13-45があるはず。
「ブリクセン近くの星を回って! 45番を見つける」
そこからサンタの国に入ったら、近くにいるサンタを捕まえてフィンの居場所を聞けばいい。
右に並ぶように番地が続くが13-44の隣には星が無い。