夜空に高く高く笛の音が響くと、月明かりに光る稲妻が夜空を駆けてくる。
「やった! 鳴った……まだ会える!」
笛が鳴ったことも夜空を駆けるブリクセンの姿が見えたことにも安心する。
――まだ見える! 今度こそフィンを捕まえる
瞬きのうちにブリクセンがソリを引いて目の前で停車したが、肝心な人が乗ってない。
「メリークリスマス、ブリクセン! ねえフィンは? なんで誰も乗せてないの?」
ブリクセンは私に鼻をすり寄せて甘えるばかりで、答えなどくれない。
てっきりフィンが乗ってくると思ったのに――
ふわふわと浮かぶ空っぽのソリを見つめて意を決する。プレゼントをフィンの所まで取りに行けばいい。
私は部屋に入り、適当な紙にフィンからもらったペンで文を書くが、途中でインクが切れた。
少しすると文字は紙からフワフワと浮かび上がり、夜空に飛んでいく。
あの文字の行き着く先にはフィンがいる。
「ブリクセンあの文字を追って!」
私がソリに飛び乗ると、ブリクセンは前足を立ち上げて文字を追い夜空を駆けだした。
